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iTECS法(非破壊試験)による鋼製防護柵の支柱長さの試験方法


鋼製防護柵と非破壊試験の背景

鋼製防護柵の出来形管理について、平成17(2005)年以前は写真によって管理がなされていました。しかしながら、交通事故をきっかけに支柱の根入れ長不足に係る問題が発生したため、国土交通省は平成18(2006)年から、ビデオカメラにより全本数撮影する出来形確保対策を実施し、平成22(2010)年3月31日(平成24年6月改訂)には、非破壊試験による出来形管理が始まりました。

国土交通省の通達

・国官技第3 3 7号

 平成22 年3 月31日(平成24年6月改訂)

 国土交通省大臣官房技術調査課長

 「防護柵設置工の施工における出来形確保対策について」

非破壊試験による鋼製防護柵の根入れ長測定要領(案)

 平成22 年3 月(平成24年6月改訂)

 国土交通省大臣官房技術調査課


鋼製防護柵の支柱長さ試験の原理について

鋼製防護柵の支柱長さの試験方法についての書籍

 iTECS法 規格

試験05:鋼製防護柵の支柱長さの試験方法


iTECS 法を用いて鋼製防護柵の支柱長さを試験する方法です。

防護柵の支柱のキャップ部の打撃により衝撃弾性波を支柱に発生させ、支柱を往復する弾性波の到達時間を測定して、支柱長さを測定します。

また、本規格による試験方法は、国土交通省大臣官房技術調査課により定められた「非破壊試験による鋼製防護柵の根入れ長測定要領(案)(平成24 年 6 月)」での非破壊試験方法としての適用が可能です。


鋼製防護柵の支柱長さ測定の適用条件

鋼製防護柵の支柱長さ測定の適用条件として、以下の①~③の条件があります。

  • ①本規格が対象とするのは、解説図 2 に示す支柱を土中に埋め込む方式の防護柵であり、解説図 3 に示す支柱をコンクリートに埋め込む方式(根巻き)は対象外。

  • ②本規格が対象とする支柱は、曲り部のない直管

  • ③その他、コンクリート舗装、アスファルト舗装など、防護柵が堅固な材料に接着している場合には、測定に注意が必要

鋼製防護柵の支柱長さ測定の適用条件の図解


鋼製防護柵の支柱長さ測定方法


受信センサーの設置

受信センサーの設置位置は、上端から100mm程度の位置に設置します。

鋼製防護柵の支柱長さ測定方法の図解


弾性波の入力、振動の記録

弾性波の入力点は支柱の上端、または、キャップ部の上面の端部とします。入力点をインパクターで打撃し、測定波形に再現性があることを確認後、測定器に記録します。


反射波の到達時間の測定

測定波形の第1 波と第 2 波との時間差から、反射波の到達時間を測定します。

反射波の到達時間の測定式

ここで、L は支柱長さ、TPは反射波の到達時間、VPは支柱を伝搬する弾性波の速度、L0は支柱の上端から受信センサーの設置位置までの距離です。

反射波の到達時間の測定のグラフ


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