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iTECS法(非破壊試験)によるコンクリートの部材厚さ試験方法


部材厚さ試験の原理について

 コンクリート表面にセンサーを設置し、センサー近傍から鋼球等により打撃を行います。

 入力された弾性波は、コンクリートと音響インピーダンスの異なる材質との境界面で反射し、その後、入力面と反射面で多重反射する性質があります。

 この性質を利用して、弾性波速度と反射した弾性波の往復時間からコンクリート構造物の部材厚さを求める手法です。


部材厚さ試験の適用条件

部材厚さの測定条件は以下の①~③の条件を全て満たすコンクリートに対して適用されます。


①厚さが100mm程度~2500mm程度

コンクリート部材が厚くなると、弾性波の減衰によって多重反射により生成される周波数を精度良く測定することが困難な場合があります。また、適用できる厚さの上限値は、使用する測定装置の性能にも依存されます。

iTECS法による推定値と実際の厚さについてのグラフ


②背面が地盤等と完全に密着していない状態

コンクリート表面から入力した弾性波が、コンクリートと音響インピーダンスの異なる材質との境界面で反射する性質を利用しますが、背面がある程度の音響インピーダンスを持つ地盤等の材料と完全に密着していると、多重反射による周波数が変化し、正確な周波数を測定することが困難となります。


③測定面と対向反射面が平行とみなし得る形状であり、幅、長さが厚さの 0.5 倍程度以下、または、6 倍程度以上

部材厚さ測定方法

コンクリートの部材の厚さの測定のグラフ
  1. 測定表面の処理
    測定表面に凹凸がある場合は、ヤスリ・砥石等により測定表面が平滑になるように処理する。
  2. 測定点の設置、測定波形の取得
    コンクリート表面に受信センサーを設置し、近傍(部材厚さの 0.4 倍以下)をインパクターで打撃する。
  3. 測定波形の記録
    測定波形に再現性があることを確認し、受信センサーの測定波形を測定器に記録する。
  4. 周波数測定
    記録した測定波形に対して周波数スペクトルを求め、振幅値が卓越する周波数を有効数字3 桁で測定する。

コンクリートの部材厚さの測定の図解

コンクリートの部材厚さの測定の図

コンクリートの部材の厚さの測定のグラフ

コンクリートの部材の厚さの測定のグラフの画像

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